第75回音楽情報科学研究会に行ってみた
2008.5.29

 

 神戸ポートアイランドの臨床研究情報センターで開催された第75回音楽情報科学研究会に行ってきました。聴講したのは主にセッション2と特別講演。「ニコニコでみっくみく」な発表が目立ちました。


 会場は200人収容。参加者は146人で、「ぼかりす」が注目を集めたせいか、例年よりおよそ5割増しだったとか。


★動画共有非同期コミュニケーションにおける一体感を向上さ せるインタフェース
 川井康寛,志築文太郎,田中二郎(筑波大)公式サイト


 同上。Feel_AIRの画面。ニコニコ動画に似ていますが、コメント自体をマウスクリックで評価するなど、多くの拡張がみられます。


 同上。


★ニコニコ動画における映像要約とサビ検出の試み
 青木秀憲,宮下芳明(明治大)
 コメント分布から動画の要点を抽出する試みです。
 参照:ニコニコ動画 ニコニコ動画の弾幕を利用した「動画のサビ」検出


★STRAIGHTを用いた簡易モーフィングによる印象変化の評価に ついて
 西田沙織,大西壮登,吉田有里(和歌山大),森勢将雅(関西学院 大),西村竜一,入野俊夫,河原英紀(和歌山大)
 人間の歌と初音ミクの歌を段階的にモーフィングさせて、印象の変化を調査したもの。同性間と異性間のモーフィングでは異なる結果になりました。


★VocaListener: ユーザ歌唱を真似る歌声合成パラメータを自 動推定するシステムの提案
 中野倫靖,後藤真孝(産総研)公式サイト
 話題の「ぼかりす」の発表です。後藤さんのほうが有名になってしまいましたが、ぼかりすの開発は中野さん(発表者)が中心になって進めたとのこと。


 同上。CV01用に調整したパラメータをそのままCV02に使うとうまく再現しない。そこで、調整結果をもとに反復推定することで品質を高めています。


 同上。


 同上。ぼかりすによるVOCALOIDパラメータ合成には人間の歌唱が必要ですが、歌唱力補正機能があるので、歌が下手でも使えます。
 トータルな印象として、ぼかりすは実験室レベルではなく、広く一般に使われることをめざして開発されているようでした。


 同上。


★招待講演:仮想楽器をリアルにする「未来の記号」と、VOCALOIDで注 目される「人の形」「声の形」について
 佐々木渉氏(クリプトン・フューチャー・メディア株式会社 )


 同上。歌唱を合成するということ、そのキャラクターの扱い、VOCALOIDをとりまくコミュニティのありかたなどが熱っぽく語られました。


 同上


 同上。CV02 ACT2(滑舌・ケロりを改善したリニューアル版)のデモ。緻密にパラメータ調整してあったデモ曲を、その場ですべてフラットに直して実演していました。
 参照:ニコニコ動画 速報:CV02 ACT2
 CV02は確かに扱いにくさがありましたが、初音ミクと異なる人間的な歌唱ができる点に満足していました。にもかかわらず、ACT2は登録ユーザー全員に郵送されるとのことで、クリプトンのユーザー思いな対応に頭が下がります。


 懇親会の様子。こういう場に非会員が突撃するのは勇気がいりますが、学会でいちばん面白いのは懇親会です。


 敬愛する手タレPに会えてびっくり。顔はダメということで携帯みくみくプレイヤーを持ったところを撮らせてもらいました。


 初音ミク産みの親、クリプトンのwat(佐々木渉)さん。上に引き続き、我が分身としてみくみくプレイヤーを持ってもらいました。
 2ちゃんねるYoutube板の片隅で議論が続いている「初音ミクはどんなパンツをはいているか」について質問してみました。
「パンツについての設定はありません」「ねんどろいどが“白”なのは、はかせないわけにもいかないので白なら好きに塗れるだろう、と」という回答でした。
 ミクの設定に隙間――ユーザーの信念を投影できる余地――があると確認できたのは大きな収穫でした。


 watさんと、ぼかりす開発者の中野倫靖さん(右)。


 ニコニコ動画の産みの親、戀塚昭彦さん。ドワンゴ・リサーチセクション・マネージャーの荒木さんとともに聴講にみえてました。
 参照:知る人ぞ知る、koizukaのブックマーク


 VOCALOID産みの親、ヤマハの剣持秀紀さん(ヤマハ イノベーティブテクノロジー開発部・サンドテクノロジー開発センター)。




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