携帯みくみくプレイヤー/拡張編
2008.5.4

 オープンソース携帯みくみくプレイヤーに内蔵ネギ振りモジュールと外付け亞北ネルディスプレイを実装してみました。
 毎日使うものですから、納得いくまでカスタマイズする――それが21世紀のライフスタイルですよね。
 ていうか、やりたいからやりました。
  

 まず、公式のミク画像を改変してネギを持たせます。これをA-oneの「手作りステッカー ホワイトフィルムラベル+透明保護フィルムラベル」にインクジェットでプリントします。
・原画 miku-negi.png



 ネギの駆動にはTOMY エアロソアラのラダーについているマグネットアクチュエータを転用します。パーツだけ購入するならIndoor airplane world e-shopで買えます。



 完成したELF(Embedded Leek Flapper)モジュール。 プリントしたイラストのネギ部分を切り取り、厚さ1mmのスチレンペーパーに貼ります。これをマグネットアクチュエータのラダー側に接着します。
 マグネットアクチュエータの原理は電流計やスピーカーと同じで、外側の電磁石に通電して内側の天然磁石をフリップさせます。電流の向きを変えれば天然磁石は反対側に振れます。
 オーディオ信号を流せばスピーカーの代わりになるはずですが、壊れたら面倒なのでやってません。「歌うネギ」なんて面白いと思いますけど。


 ELFモジュール、裏面。マグネットアクチュエータはFCZ基板にエポキシ接着剤で固定します。ドライブ用のトランジスタは2SC1815。  ポートはD6を使いました。本来は入力用の予備ポートで、基板上にプルアップ抵抗がついていますがそのままにしています。


 プログラム開発中。基板上にあらかじめICSP(In-Circuit Serial Programming)のポートが作ってあるので、ここにソケットを取り付け、PICkit2を差し込みます。PICkit2はパソコンにUSB接続します。ソフト開発に必要なハードウェアはこれだけで、至って簡単です。
 開発環境はマイクロコントローラPIC18F45J10をサポートしていることが必要です。
 統合開発環境はPICの発売元が無償提供しているMPLAB、開発言語はCCS Cコンパイラを使いました。これは有償で、$200+送料$30くらい。なぜこのコンパイラかというと、Daisyのファームウェアがそれで書いてあったからです。ニコニコ動画のコメントで知りましたが、gputilsとSDCCを使えばフリーでC開発環境が構築できるそうです。
 プログラム内容としては、割り込みタイマ1でネギ振りさせ、メインループおよび演奏のループ内でボタン操作入力の処理をしています。元祖Daisyの多様な動作モードのうち、ボタンモードとシャッフルモード以外のコードは削除しました。元祖Daisyはシリアル/パラレル接続して遠隔操作するモードがたくさんあって、周辺機器っぽい応用を想定していた節があります。
・C言語ソースリスト daisy-miku100.c
 元祖Daisyのソースリストやマニュアル、配線図・基板パターンのCADデータはDaisy公式サイトにあります。


 ELF実装部分のアップ。マグネットアクチュエータの「腕」はぐらぐらしているので、黒いリード線で押さえるようにします。電流を流すとネギは画面左に触れますが、戻る力はないので細い銅線をスプリングにして引っ張っています。トルクは微弱なので、スプリングの反発力も非常に弱いものです。
 本機の電源電圧は3.7V、消費電流は一時停止中30mA、演奏中80mA、ネギ振り時は平均80mA増大します。一時停止中の電流はもっと減らせそうな気がするのですが、よくわかりません。


 完成状態。人目を避けつつフィールド運用中。写真は名古屋大須、第二アメ横のカフェで撮りました。
 操作は、シフト+一時停止でネギON/OFF、シフト+トラックFwdで加速、シフト+トラックBackで減速、です。
 ゆくゆくはビートトラッキングして曲のリズムに自動シンクロする機能もつけたいです。


 さらに1bitの外部出力ポートを取り付け、外付け亞北ネルディスプレイを駆動してみました。携帯電話を持った腕が動きます。使用ポートはD7。タイミングの制御はELFと兼用です。
 


 亞北ネルのイラストは本家スミス・ヒオカさんに描きおろしていただきました。
・原画 nerudsp.png, nerudsp.psd
 イラストはフォトマット紙にプリントして厚さ3mmのスチレンペーパーに貼りました。裏側にも同じフォトマット紙を貼ってサンドイッチ構造にしています。こうすると強度がぐんと増します。


 電流駆動部分。プレイヤー側の出力は3.7V、4mAと弱いので、2SC1815とパワーMOSFET 2SK2956を二段にして増幅しました。ネル用の電源はプレイヤーと独立しています。


 アクチュエータはバイオメタルファイバーを長さ10cmに切って使いました。形状記憶合金を特殊加工した繊維で、3Vの電流を流すと発熱して5%ほど収縮します。写真では回転軸の上側にかすかに写っている髪の毛のようなものです。軸の反対側はスプリングで、電流をオフにしたとき腕を戻すために必要です。


 作品はMake:Tokyo Meeting ニコニコ技術部有志のブースで展示しました。
 ネギはときどきひっかかって止まったりしていましたが、ネルは5時間ぶっつづけで動いてくれました。
 ヒオカさん曰く 「ネルは3500円ぶん働いたわけですね」

 製作過程は動画でも公開しています>ニコニコ動画Youtube



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