能代宇宙イベント2007レポート/二日目編
2007.8.24

 初日編へ

 初日の夜はロケットガールズの合宿所になった山谷公民館に泊まりました。廃校になった小学校舎を改装した施設です。
 二日目、5時半に起きたら雨でした。打ち上げ当日ということで、ガールズはすでに出発したもよう。私も後を追います。


 6時半、柳町商店街の作業所に到着。
 犬を連れて散歩する人が声をかけていったりします。


 秋田チーム機の塗装。花火模様がおしゃれです。
 前日、秋田チームに不運なハプニングがありました。ここで塗装作業をしていたところ、自転車で通りかかったお年寄りが転倒して機体の上に倒れ込みました。ノーズフェアリングが割れ、胴体もあちこち歪みができたので、午前4時まで修復作業をしていたとのこと。


 作業所内部。


 徹夜明けの空気が沈殿しています。


 ガールズを残して会場に向います。松林を抜けて海岸に出たところで周囲を撮影。
 これはJAXA能代多目的実験場。


 会場方向。風車と日本海が見えています。


 会場。屋根だけになったテントがあります。このままトラックの荷台に乗せて、対岸の大型モデルロケット打ち上げ本部に運ぼうとしたのですが――
 土岐先生いわく「木にひっかかって落ちるだろう、絶対」


 私の車で追っていくと、その通りになりました。人力で運びます。


 能代の郷土玩具「ベラボー凧」。能代凧保存会の皆さんが展示してくれました。
 残念ながら風が弱く、フライトは行われませんでした。本来は正月の強風時に揚げるものだそうです。発電風車といい、黒松の防風林といい、強風が地域の生活・文化に関与していることは興味深いです。


 二日目の開会式。来賓の皆様。


 能代市長の挨拶。


 カンサット競技は初日に終わったので、参加者の人数は少なめ。
 二日目は大型モデルロケット、水ロケット、秋田大とロケットガールズのハイブリッドロケット打ち上げが主なメニューです。


 ロケットガールズのテント。目薬さしてがんばってます。


 カンサット。ペットボトルを利用した自動回転翼のようです。


 ノートがありました。こっそり覗いてみますと――


 三端子レギュレータほか、電子部品のメモなどが。


 東海大学のテント。大学ハイブリッド・ロケットの老舗です。
 雨はあがり、陽が射しています。


 また「のしろケットちゃん」のコスプレをしています。
 そのロケット、子供には重いのでは、と思ったら――


 筑波大STEPの元プロマネ、みっちゃんでした。失礼。
 残りの人生をすべて使っても、これ以上似合う服は見つからないのでは、と思ったことは秘密です。


 大型モデルロケットの打ち上げが始まりました。都道府県の火薬消費許可が要るクラスなので、迫力があります。


 案内放送を一手にこなす秋田県立大の中山さん。
 「かゆいところに手が届く解説ですね」と言ったら「ロケットは専門外だから、何を説明すべきか、かえってわかるんです」という返事でした。
 ロケットガールズの打ち上げが閉会式後にずれこんで見物人が数人になってからも、一人でがんばって放送を続けたことが語り草になっています。


 次々に打ち上げられる大型モデルロケット。


 同上。
 ハイブリッド・ロケットは準備に時間がかかるので、「見せるイベント」としては間が持ちません。ローテーションの短いモデルロケットにずいぶん助けられた印象があります。


 カンサットのデータ取得装置でしょうか。ケースに入れればいいのに……。


 前触れもなく現れたアニメ・ロケットガールの青山監督。午前2時に東京を立って高速道路をひた走ってきたとか。東京チームの高山プロマネと記念撮影します。


 予定より遅れて打ち上げられた秋田大ハイブリッド・ロケット。


 開放機構、パラシュート開傘も完璧でした。


 正午すぎのハイブリッド・ロケット射点。


 射点に近いプレハブ小屋にロケットを運んで、ロケットガール秋田チームの作業が続いています。
 本部に近いところではモデルロケットや水ロケットの打ち上げが続いていますが、これから打ち上げ終了まで、ロケットガールズに張りついていました。


 同上。
 この開放機構は二分割するため、ヒンジが180度おきの二つしかありません。面を固定するには三点以上必要ですから、いささか心許ない印象です。加速中に座屈しないでしょうか。
 この点、初日にエキシビションされた秋田大の分離機構は四分割で、内側に圧縮応力を受け持つ筒がありました。


 13時半、土手の下に移動。しかし組み立て作業を一段階進めるたびにいろいろ問題が出て、はかどりません。予定では11時の打ち上げでした。


 どこかで見た顔だと思ったら、『バンキシャ!』で報道されて一躍有名になった阿部プロマネのご両親でした。


 平行して東京チームも準備を進めます。


 同上。こちらは黒地に赤ストライプのカラーリングです。


 16時5分、秋田チームの打ち上げ。
 しかし……燃焼が不完全です。すぐに噴射が止まり、40mほど上昇しただけで落下してしまいました。飛行中の分離・カンサット放出も行われず。


 がっくりして座り込む秋田チーム。報道陣が取り囲みますが、これも仕事ですから致し方ありません。


 悔し涙の木村さん。めげずにリトライしてほしいです。秋田大でも再打ち上げを検討中とか。


 初代プロマネの「しゅしょー」こと阿部さん。報道対応にも慣れが感じられます。


 射点のすぐそばで発見された機体。大きな損傷はありません。分離機構は着地後に作動していました。


 ノズル付近。煤が一方にこびりついています。偏って燃えたような感じです。


 詳しい調査はこれからですが、同様の燃え方は過去にもありました。これは秋田大の工場にあったサンプル。固体推進剤が部分的に燃えてえぐられています。



 機体捜索を手伝ったついでに、射点を見学しました。


 回収した機体を小屋横に運んで検分中。


 ともかく記念撮影。


 18時――薄暮の中、東京チームのロケットが射点に運ばれます。


 見守る人々。14時だった打ち上げ予定がここまでずれ込んでしまいました。これについて、本部と秋山先生のトランシーバーでのやりとり。
本部「打ち上げを無制限に伸ばすことはできないと思うのですが。16時半から閉会式ですし、上空使用許可は17時までですし」
秋山「上空使用許可は昨日の時点で19時まで延長してあります。閉会式はロケットガール抜きで進めてください」
本部「懇親会が18時半からですが」
秋山「先に始めていてください」
 断固、打ち上げ優先の秋山先生でした。


 18時46分の西空。すでに陽は落ちています。
 ところがN2Oの充填ができません。ボンベ内のN2Oが不足したと判断して「本日の打ち上げは中止」宣言が出ました。
 落胆しましたが、ほどなくボンベの元栓が閉じたままだったことが判明、一転「打ち上げはGO」に。


 18時51分、東京チームのロケットが打ち上げられました。高度320mに達し、分離、カンサット放出、開傘も完璧でした。
 近距離で見たハイブリッド・ロケットの迫力に、青山監督もびっくり。「こんなにすごいとは思わなかった」とのことです。


 懇親会場に移動します。場所は能代市内、ロケットガールズ作業所の筋向かいにあるプラザ都。


 ローバーやカンサットには賞があるのにロケットにはないのはどうよ、ということで能代市長杯が新設され、東海大チームに授与されました。


 私は景品用にサイン入りロケットガール小説1〜4巻セットを持ち込みました。希望者をじゃんけん大会で絞っているところ。


 ロケットガールズが壇上に上がりました。


 同上。


 代表として東京チームの高山プロマネに「ロケットガール認定証」が授与されました。


 ロケットガールズの記念撮影。
 原作者としての縁もありまして、レポートが彼女たちに偏ってしまってすみません。これは能代宇宙イベントの一部でしかなく、他のグループや運営スタッフにもそれぞれ汗と涙のドラマがあったことを強調しておきます。
 本イベントをはじめ、学生の宇宙プロジェクトを取材するたびに思うことがあります。「いまどきの若いやつは実によく学び、よく働く。彼らに日本をまかせて大丈夫だ」ということです。



初日編へ
ホームページに戻る