minox環境の構築
2007.6.24


 前からいじり倒してみたかった超小型カメラ、minox。
 8mm×11mmという極小の撮像面ながら、しかるべき処理をすれば全紙に伸ばしても荒れないそうな。それが本当かどうか知るべく、DIYで撮影&DPE環境を構築してみました。
 今回入手したのはminox Bで、ebayで約130ドルでした。製造年は1960年代後半。セレン太陽電池を使った露出計がついていますが、ほかに電子回路はなく、フィルムさえあれば使えます。
 左は三脚アダプター。手前の三つはフィルム。


 minoxサイズのフィルムは入手が難しいし高価なので、135フィルムを切って使うのが基本です。そのための道具、フィルム・スリッターを自作しました。これで36枚撮りの135フィルムから40枚撮りのminoxフィルムが4本作れます。



 先のスリッターは精度がいまひとつで、たまにフィルムが巻き上げられなくなることがありました。フィルムの幅は9.1〜9.3mm以内に収めないといけません。それを超えるとカセットの送り出し側の芯に巻き締まって動かなくなることがあります。
 そこで新たに高精度なスリッターを作りました。3枚の刃を長ネジの上に取り付けて微調整できるようにします。静電気で埃が付かないよう、フレームはアルミにしました。


 組み立て完了。フィルムに接触するのは刃にかぶさる狭いスリット部分だけなので、撮像面を痛めません。


 引き伸ばし機のヘッドを外してフィルム・スリッターを取り付けます。フィルムの先をクランプで挟んでおき、部屋を暗室状態にします。
 暗闇の中でクランプを台座につくまで引き下ろし、まず下端をまとめてハサミで切断します。次に上端を一本ずつ切り離していきます。
 この作業については Slitting & Loading Film for the MinoxおよびA NEW SLITTER DESIGNを参考にしました。


 切り出したフィルムは直径6mmくらいの棒に巻きつけてカセットに装填し、蓋をかぶせます。あとは明るいところで巻き取り側の軸をフィルム端にセロテープで貼って蓋をすれば完成。
 装填できるフィルムの長さはフィルムの厚みおよび巻き取り軸の外径によって異なります。細いほうの軸で富士フィルムのミニコピーHR2なら最大60cm。これで40枚撮れます。
 埃や汗の付着には細心の注意をはらう必要があります。特にミニコピーの乳剤面はデリケートで、指が触れただけで台無しになります。



 現像も自分でやります。ラボに出すと10日ほどかかりますが、自分でやれば実働30分、経費はタダ同然です。そのためminox専用の現像タンクを入手しました。すべて明るい場所で作業できるスグレモノです。
 真ん中に刺さっているのは攪拌棒を兼ねた棒温度計で、華氏表示になっています。この穴から薬液を注入します。


 現像タンクの内部。スパイラルになった部分にフィルムが巻き付きます。必要な現像液はわずか60ccです。
 手前はフィルムカセット。ebayに出ていた期限切れフィルムから流用しました。


 超微粒子フィルム、ミニコピー用の現像液を自家調合しているところ。「H&Wコントロール」という処方です。薬剤はヨドバシカメラで揃いました。レシピ等は増田光紀のMINOXの世界:ACT−5 DPEあれこれを参考にしました。
 ミニコピーの解像力は850本/mm、通常のフィルムの10倍以上です。8mm×11mmのミノックス・サイズでも6300万画素相当ですから、ハイエンド・デジカメを凌駕しています。
 現像結果は、私の場合かなり偏ったヒストグラムになります。でも後処理で直せるので大丈夫。



 ネガはデジカメで接写して、以後はパソコンで処理します。フォトレタッチソフトを使えば、ヒストグラムの偏りも一発で補正できます。(JTrimの「ノーマライズ」など)
 左は応急に作った接写ステージ。8mm×11mmの窓をあけた合板とボール紙でネガを挟み、ライトテーブルの上に置きます。
 デジカメは700万画素、しかも充分な拡大撮影ができないので、現状ではブラウザ画面で眺める程度の品質でしか読み取れません。


↓作例:JR高茶屋駅前、正和堂のみたらし団子。minox Bとミニコピー・フィルムの実力がわかるでしょうか。
 そのほかの写真はこちらです>minox gallery



ホームページに戻る