ボール紙のコンピュータ:復刻版DIGI-COMP 1
2007.5.29


 DIGI-COMP 1は1960年代にアメリカで発売された、「世界初の全プラスチック製コンピュータ」です。教育玩具として売られていたようです。その復刻版がMinds-On Toysより販売されています。「こんな面白いもんあるか!」ということで1セット購入してみました。


 復刻版はボール紙製です。あらかじめ打ち抜かれているので、組み立ては別に難しくありません。ほかにストロー、針金、木片、輪ゴムなども使います。接着剤を除けば、必要な材料・工具はすべてキットに含まれています。
 マニュアルも立派なもので、特に後半を占めている解説と問題集は手応え満点です。


 組み立て途中の様子。本箱みたいな構造で、棚板にあたる部分が左右にスライドすることで演算を実行します。
 この構造だとミリ単位の精度が必要ですが、ボール紙には少々荷が重いようで、なかなかうまく動作しませんでした。スライドする部分の隙間を埋め、ストローの長さを調節することで一応動くようになりました。


 完成したDIGI-COMP 1。赤い三枚の棚板は「フリップフロップ」A,B,C。下から二番目の白い板は「クロックプレート」で、これを左右に動かすことで駆動します。
 本体左の三つの窓はフリップフロップの状態を示し、0か1が表示されます。  手前のピンクのストロー片はプログラムに使うもの。Y字型の板はOR演算に使います。


 後ろから見たところ。下の二枚の白い板にあるカム?がフリップフロップを左右に駆動する心臓部です。カムに押されてバー(針金)が動き、その経路にピンクのストローが挿してあるとフリップフロップが動きます。



 三枚のフリップフロップを取り出したところ。白いハの字は「IOペア」といい、一個の論理素子になります。IOペア一個あたり、ストローの差し込む場所が手前(入力側)に四つ、後ろ(出力側)に二つあります。
 左は、フリップフロップAに1ビットの二進カウンタをプログラムしたところ。入力が1なら0、0なら1を出力します。入出力がどう現れるかというと、フリップフロップAの位置そのものです。その位置に応じて左端にある「0 1」の数字が本体の窓から見える仕組みです。
 これを本体に挿入してクロックプレートを動かすと、Aの窓に1と0が交互に現れます。


 これは2ビットの二進カウンタをプログラムしたところ。フリップフロップAが1桁め、Bが2桁めを表現しています。
 フリップフロップBにも、ひとつ前の写真と同じ、1ビットカウンタがあります。ただし動作するのはフリップフロップAが1のときだけ。A,B,Cの各論理素子はバーで縦方向に連絡しているので、キャリに相当する入力が作れます。
 うーん、これだけじゃ意味不明ですか。動かしてみればすぐわかるんですけど。
 本機のメモリーは3ビットですから、フリップフロップCを使って3桁化することもできます。
 さらに高度?なプログラムを組むと、論理パズルを解いたりできます。
 クロックプレートをかしゃかしゃ動かすだけでプログラムが進行してゆくのはまことに面白いです。ブラウザで実行できるエミュレータもありますが、これはぜひとも実際にハードウェアを動かしてみていただきたいです。
 メモリや論理素子の増設に挑むのも面白いでしょう。チック・タック・トゥをプレイできるA Tinkertoy computerなんてものもあります。


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