M-V-7/ひので 打ち上げ取材(リハーサル編)
2006.9.27
M-V-7/ひので 打ち上げ取材(打ち上げ当日編)へ。



 2006年9月23日、内之浦宇宙センター(USC)で行われたM-Vロケット7号機/SOLAR-B衛星の打ち上げ取材レポートです。
 20日早朝のリハーサルにあわせたプレスツアーから参加するため、出発は18日夕刻。宇宙作家クラブ(SAC)の松浦晋也さんといっしょに、大阪南港から志布志行きのフェリーに乗りました。


 台風の影響が懸念されましたが、タッチの差で大丈夫でした。写真は沈む夕陽と明石海峡大橋のシルエット。


 9月19日。海岸沿いの道を走って内之浦湾にさしかかったところ。使われなくなったアンテナが展示されています。これは130MHz帯の円偏波アンテナ。
 数年前、肝付市街から内之浦に抜ける国見トンネルができたので、この道はすっかり交通量が減りました。


 これも道端に展示されていたランチャー。カッパ9〜10あたりで使われたものと思われます。


 ランチャーに登ってみたところ。ガイドレールが見えます。レールに乗って斜めに発射される、宇宙研の伝統です。


9月20日、午前6時頃。かつて「電波テスト」と呼ばれていたリハーサル、およびプレスツアーが始まりました。ここは記者会見室として使われている計器センター。


 管理センターの大部屋。全員で集まって打ち合わせする「全打ち」をする部屋です。壁に掲げてあるのは、歴代プロジェクトの寄せ書き。


 寄せ書きのひとつ、ご存じM-V-5/はやぶさ。


 成功を祈願して内之浦町の婦人会(現在は肝付町の女性会統合準備委員会)が寄贈した千羽鶴。宇宙研が地元といい関係を築いてきたことがわかります。


 宮原地区にある記者席の下見。射点から2.5km離れています。8年前、『のぞみ』の打ち上げのときは鉄パイプを組んだ足場で、「打ち上げのときは絶対に動くな」と言われたものですが、その後、鉄筋コンクリートの雛壇になりました。


 能代に続いてまた御一緒しちゃいました、UNISEC事務局長の川島レイさん。


 記者席から見た34mレーダーと20mレーダー。ふだんは天頂を向いていますが、リハーサル中なのでロケットの飛翔経路をポイントしています。


 台地の横には畑が。地域と密着したアットホームさがUSCの特徴でした。かつては敷地内に自由に入れたそうで、肝付町役場にお勤めの松山さんいわく「子供の頃はここの照明に集まるカブト虫を獲ったもんです」


 しかし射点のあるM台地周辺はJAXA統合以降、有刺鉄線のついたフェンスで囲まれています。以前のようなふれあいがなくなり、地元では不評のようです。
 この写真は打ち上げ後に撮影したもので、崖に面した側のフェンスが噴射でなぎ倒されているのが小さく写っています。なんとなく、M-Vの意志のようなものを感じました。


 計器センターに戻り、的川教授、森田教授、中島所長を囲んで記者レクチャーが開かれます。
 写真は実験主任の森田泰弘教授。記者の質問に対してただちに回答を組み立て、筋道立てて語る聡明さが作家の間でも話題になりました。
 記者会見の内容はSACニュース掲示板を参照のこと。
 このとき野尻のした質問は「『あかり』に続く極軌道の打ち上げで、前回と変わったところはあるか」というもの。風の予想が違うだけで、基本的に変わっていないとのことでした。
 さらに「ロケットはいったん南東に上げてから真南に向かいますが……」と訊いたら、三氏は急に「にゃはははは」と笑い出しました。正式な回答としては「種子島の真上を避けるため。別に真上を通っても充分安全なんですが、最善をつくすということで」でしたが、「あれは誰それが『どうせ真南には打てないから』ってランチャーのフレームデフレクターを南東までしかつけなかったんだよ」とわいわい語り始めました。宇宙研取材の楽しいところです。


 これは射点のすぐそばにあるブロックハウス。地下にあり、耐爆構造になっていて、総員退避のあともここで管制業務を続けます。


 科学衛星指令通信室。昔からある建屋で、かなり老朽化していますが、内部の機器はそれなりに更新されています。


 これは昔からある機械式のスケジュール表示盤。


 新しくできた34mレーダーアンテナ(奥)。


 科学衛星テレメータ追跡室。


 説明に立ったのは衛星主任の小杉健郎教授。
「内之浦に来て、転んで骨折してしまったのだけれど、これまでの骨折りが実を結んだということで」と朗らかです。


 USCから内之浦市街に向かう道、以前はワインディング・ロードでしたが、改修されてまっすぐになりました。谷をまたぐ橋にはそれぞれ惑星の名前がつけられ、歴代衛星のモニュメントになっています。
 これは『おおすみ』をかたどったジュピター・ブリッジ。


 こちらは『さきがけ』をかたどったヴィーナス・ブリッジ。


 全部で6つの橋があります。内之浦の新名所になりました。


 叶岳から俯瞰した内之浦市街。山あり海ありで絵に描いたような日本のふるさとです。

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