鉱石ラジオ1号

1997.10.1


本当に検波できるのか?


 小林健二著『ぼくらの鉱石ラジオ』(筑摩書房)を読んで、その奥の深さに魅了されました。この本には、鉱石ラジオの原理と制作方法が詳しく解説されています。
 作り方がわかると作らずにはいられない性分なので、さっそく実験しました。
 左のような、手持ちの方鉛鉱の標本を使うのですが、ほんとうにこんなものでダイオードのかわりになるのでしょうか。


 知人の清水氏にノウハウを教わりながら、あれこれやってみると――なるほど、ごらんのとおりの波形が出ました。いまいち「ぬるい」波形ですが、とにかく半波整流しているようです。


とりあえず1号機、完成



 1号機は鉱石検波の実現だけを目標にしました。
 まずは市販のキットで、ゲルマニウム・ラジオを作ります(写真左・後方)。これのダイオードを鉱石検波器と置換することで完成とします。
 キットの工作は20分で終わりました。室内アンテナとアースをつなぐと――三重県津市からは――NHK第一、第二、CBC、東海ラジオが受信できました。
 ゲルマラジオの音を聞くのは小学生の時以来です。澄んだ音がクリスタル・イヤホンに響いたときは感動しました。

 右は検波器のアップ。外径10ミリの銅管を短く切って、内部にハンダを流し込み、そこへ方鉛鉱のかけらを沈めます。
 ここへカンチレバー部から細い銅線をおろします。触れるか触れないか、ぎりぎりの加減にするのがポイントです。
 しばらく調整するうちに、声が聞こえました。NHKの『ラジオ深夜便』で、五木寛之氏が話しているところでした。
 ダイオードより音は小さくなりますが、クリアに聞こえます。
 しばらく聞き入りました。
 否応なく聞こえてくるスピーカーの音とちがい、自分から耳をかたむける姿勢になる――このプロセスこそが、鉱石ラジオの魅力なのだと思いました。


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