たのしい放射線オタク

1997.1.9/1997.10.5



もっと鳴らしたい


 ことの起こりはこれ、秋月電子のガイガーカウンター・キットです。カウンターというより単なるセンサーで、放射線を検知すると「ぴっ」と鳴る、それだけの装置です。
 安価なので、ちょっとした好奇心で購入しました。作動させてみると、毎分1〜2回、自然放射線が入感します。
 ほほう、なるほど……
 ポケコンをサーバーにして、自然放射線の日周変化を測ったりしましたが、私はしだいに飽き足らなくなってきました。釣師がより大きな魚を求めるように、「もっとたくさん、ピーピー鳴らしてみたい」と願うようになったのです。

 これを持って高エネルギー研究所の陽子加速器棟に入ったときのことは忘れられません。
「かなり強い放射線があります。お子様や妊婦のかたにはおすすめできません」と言われながら地下に案内されてみると……
「ぴっ……ぴっぴっ、ぴぴぴー、ぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴーーー」
 私は法悦を味わいました。


線源を求めて


 なんとか自分で放射線源を所有したいと思い、あれこれ探しました。古い時計の夜光塗料、カリ肥料、花崗岩……いろいろ試しましたが、どれも放射能は微弱で、私の心を揺さぶるものではありませんでした。

 はじめて満足できた線源はこれ、燐灰ウラン鉱です。カウンターをそばに近づけると、もう鳴りっぱなしになります。
 写真は新宿の国際ミネラルショーで購入したもので、2500円でした。さらに強力な放射能を持つのは閃ウラン鉱ですが、これはずっと高価です。



霧箱をつくる


 放射線をこの目で見る――やはり行き着く先はここでしょう。
 この霧箱は拡散式といって、圧力をかけなくてもすむ、非常にシンプルなものです。
 脱脂綿には燃料用アルコールをしみこませておきます。装置が冷えてくると、アルコール蒸気が凝結して「雨」が降りはじめます。この状態で放射線が走ると、箱の底のほうに霧の飛跡が現れます。
 飛跡は細いし、すぐに消えてしまうので、側面に強力な光源をおくと観察しやすくなります。私はスライド映写機を使っています。
 飛跡が現れそうなところにアルミ箔をおくと、それ以上貫通しないのがわかります。
 これはアルファ粒子でしょう。いろいろな素材で遮蔽して遊べます。
 今後は、冷却にペルチェ素子を使ったり、磁場をかけたりしてみようと思っています。


 拡散式霧箱のもっともシンプルなものがこれです。
アマチュア科学者』(C.L.ストング著、村山信彦訳、白揚社、1963年初版)に載っていました。
 この本は私のバイブルですが、おそらく絶版でしょう。古本屋で探してみてください。



閃ウラン鉱、GET!


 京都の即売会「石ふしぎ発見展」で、念願の閃ウラン鉱を購入しました。
 販売していたのはアマチュア・サークルの福岡石の会。もう絶産だそうです。
 安価なだけに、見た目も母岩ばかり目立ってぱっとしません。黒いカビのような部分だそうですが。
 しかし、さすがは閃ウラン。心を揺さぶるガイガー・カウンターの音(WAV 145KB)を聴いてみてください。(1997.10.5)


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