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「水からの伝言」を信じないでください

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あらきけいすけ 力まかせの計算機の中の流体シミュレーション  2006年11月26日(日)08時09分27秒

力まかせの計算機の中の流体シミュレーションをやっている身からすると「力まかせのシミュレーション」が再現するのは脳でも流体でも「力学系の解」にすぎないのであって、その「初期値問題の解」からわれわれの知りたい物理的機構やアルゴリズムを取り出すための「解の表現方法」が必要だと思います。たとえば流体の運動ならば、数値計算の結果の数値の表をいくらにらめっこしても無駄なわけで、ベクトルをつないでいって流線なり何なりを描いて特徴を抽出しないとわからないわけです。

たとえばソリトンの場合は、シミュレーションの結果が2次元のx-yグラフで描けるようなものだったので再帰性の発見が容易だったわけで、ソリトンが出るような微分方程式系の構造自身は「紙と鉛筆」の世界で抽出されたものです。これは数値計算の結果と人間の理解できること/理解したいことの間のインタフェースがとてもシンプルだった、とりたてて数値計算の結果の解釈、表現に悩まずに済んだという幸運なケースだと思います。

ぼくは自分では「力任せのシミュレーションでできる派」のつもりですが、「計算結果」と「人間の理解」とのインターフェースをどう取るのだろうというところでひっかかります。レムの「ソラリス」みたいなチグハグなやりとり(あれは「やりとり」だったんだろうか?)に簡単に滑り落ちるんじゃないかなと思います。

逆にチューリングテストは、インターフェース部が「人間の理解」にとって便利なようにできているよなと感じます。

ボクは小説を読むのが苦手なので、こんなとき「ソラリス」しか思い浮かびません。

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ふるかわ 元……と名乗るほど大した仕事はしてませんでした 2006年11月26日(日)05時58分23秒

批判するとか,せっかくの夢に水をぶっかけるとか,そんなつもりはないのですが,もし神経科学者が悲観的に感じているとすれば,どのあたりで困難を感じているかは知ってほしい気がしました.私は「悲観的」と言う言葉はあまり当たっていなくて,「シミュレーションすればなんとかなるさとナイーブには信じていない」というのが正しいところかと思っています.困難さの感覚を共有できれば,本当の意味でいい夢をともに描けるかとも思うのですが,これまたナイーブすぎる考えでしょうか.

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ふるかわ 本質を見ないシミュレーションでどこまで理解できるか? 2006年11月26日(日)04時43分53秒

元神経生理屋です.実験しなくなってずいぶん経ちますが.

個々の神経細胞の特性がわかって,それらの結線がわかれば脳を再現できる!という考えは古くからあります."From Neuron To Brain" という1976年に出た名著なんかはまさにその路線で書かれています.その本でお手本のように扱われたのが網膜神経系.特に下等脊椎動物の網膜は,重箱の隅まで調べつくされましたし,精密なシミュレーション研究もありました.1980年代 までけっこう盛んで,90年代から下火になっていきました.脳の精密なシミュレーションを考える前に,当時の網膜研究で何ができて,何ができなかったかを知ることはとても良い教訓になると思います.網膜でできなければ,脳全体なんてとてもとても.

できたことは,網膜がどんな情報処理をしているか大雑把にわかったということ.でもこの程度なら,研究の初期段階でだいたいはわかっていたことです.そして精密にやろうと思ったとたん,もうわけのわからないことになってしまいます.本当に無数の要素を考えないといけません.無数の信号伝達経路が,細胞の中にも外にも網の目のようにはりめぐらされていて,しかもそれらの伝達特性が互いにモジュレートされます.またそんな精密モデルが作れるのもせいぜい2次ニューロン(視細胞から直接入力を受けるニューロン)どまり.3次になるともはや細胞の分類すら不明(形態的には40種以上?),光応答特性は代表的ないくつかの細胞がわかるだけ(4種くらい)という,恐ろしい状態になります.また実験するには網膜を手術で摘出し,場合によってはさらにスライスしたり細胞ひとつひとつにバラバラにしたりするわけですが,そこで得られる知見は,おそらくin situ(生物の中で生きた状態)とずいぶん異なるだろうと推察されます(多くの人がそう思っていたみたいだけれど,ごく一部の人しか調べてなかった).ガさんのおっしゃるような革新的な技術が発明されても,この事態が解決されるとはなかなか思えません.ま,網膜をそこまで精密に理解できなくても,中枢を研究する上では困らない(どうせ中枢はもっとわからないのだから),むしろそのエネルギーを中枢の解明に注ぐべき!ってことで,次第に下火になったのだと思います.

話を元に戻すと,何か着眼点があって,そこへアプローチする手段のひとつとしてシミュレーションを併用するのは効果的と思いますが,着眼点も何もないのにやみくもに重箱隅なシミュレーションしても意味がないというのが,当時を振り返った私の感想です.これまたもがみさんと同意見になってしまいますが.

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向井 シミュレーションの妥当性 2006年11月26日(日)01時48分12秒
URL: http://www.jmuk.org/d/

ご紹介にあずかりました向井です。確かに最上さんと同じように考えているのかもしれません。シミュレーションをしようにも、どこからどこまで、どのように模倣すれば良いのか、ということすら現在はわかっていないのではないでしょうか。
ところで、コンピュータシミュレーション上で何らかのモデルで動くものを動作させたとして、それが正しく「特定の人物の人格」をシミュレートしているか、誰がどのように検証するのでしょうか。それを知るためには、けっきょく知能の本質を取り出さないといけないだろうと思います。


ところで、意識の転写が可能になったとして、宇宙船に乗っていくのはあくまでも「この自分」の分身であって自分ではない、とわたしは思っています。だから宇宙船にそのようなものを搭載することの意味がわかりません。それは、たとえばわたしが設計したプログラムが宇宙船に搭載されるのと同じくらいの意味しかないと思います。気持ちはわからないでもないのですが、負荷があまりにも高いでしょう。


サブサンプションについては、今は誰がやっているのかわかりません。けっきょく反射的なモジュールだけで知能を構成するというのは、かなり無理のある考え方ではないかな、と思います。とはいえ、反射的なモジュールを組み合わせてロボットの行動を構成するという考え方じたいはそれなりに広まっていて実例もそれなりにあります。しかしそれは昆虫などを模倣することではなくて、もっと特定の目的を実現することを目的としているものがほとんどのように感じます。

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野尻抱介 2006年11月25日(土)23時56分10秒

>情報化知性
 向井さんの日記にも批判が。こっちに書いてくれればいいのに。趣旨は最上さんと同じかな。
|何が悲しくて人間をわざわざ機械がシミュレートまでして宇宙船に載せねばならんのか
 その人格が望むからじゃないですかね。

 そのほか私の聞いた悲観的意見はというと――これも本人が出てこないから私が書くわけですが(^^;――菊池さんによれば「問題の立て方さえわかっていない」のが問題だそうで、結局、最上さんと同じことを言っているのかな。

 昆虫型ロボットのサブサンプション・アーキテクチャーについては、ごく単純な動きしか創発できず、壁につきあたっていると聞いたことがあります。その後どうなったのかな?

ロケットガール養成講座(←titleタグ修正希望)
 秋田放送のまにあっく倶楽部、さきほど聴きました。秋山さんが出るかと思ったら学生さんたちにまかせてるんですね。のっけに「秋田大学の村田です」「秋田大学の斉藤です」「秋田大学の小林です」「秋田大学の北川です」と自己紹介したのが微笑ましかったです。小林さんは確か能代イベントで会った方ですね。

 TBSラジオ・Gaku-shockで養成講座がとりあげられたときのネット放送(ASXファイル)

 ロケットガール養成講座の対外的な初動は12月23日の講演会になります。なんかスペシャルゲストが来るみたいです。この講演に関しては、男子も拒まずだそうな。

>Adsense広告
「絵のエネルギーが見る人の人生を変える、医学的に証明された不思議な絵画」なんてのもありました(^^;。入れ替わり立ち替わり来るのでフィルターしきれないですね。こうやって話題にすると、さらに呼んじゃうんでしょうけど。
 あと最近スパム広告が多くて掃除がめんどくさいです。

>補償光学系
 ……ということは人工ガイド星は点ではなくて面積体で、その形からゆらぎを検出するということでしょうか。
 その後、自己解決したつもりになったのですが、レーザー送信望遠鏡から人工星に至る経路は一本で、人工星から主鏡の検出点への経路は188本あるので、その188本に共通したゆらぎはレーザーの往路で生じたものだとわかる。それ以外のゆらぎは帰路で生じたものと判断する――ということかなあ、と。

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美村 蔵親 2006年11月24日(金)13時23分42秒

(引用)「 ヘギーの計算では時間積分のタイムステップを長くとりすぎていて、振動を抑えこんでしまっている、と指摘したのです。 ・・・ 科学の発展というのがそもそもこういうもので、後からみたらこんなことは当たり前、ということがなかなかわからないものだからです。」

ミスにより結果が発散した場合は、誰でもミスに気が付きますが、抑え込むような結果には疑問を持つことがないですからね。 「理想モデルの計算結果以上に顕著な現象が現われることはない」ということを前提に、システムの安全性や保証値の計算をしますが、シミュレーションそのものが正しいかの検証は難しいものですね。

脳機能のシミュレーションとはちょっと違うのですが、以前、人工知能の権威が「ロボットで遊んでないで、高度なチューリングテストに応える研究をすべし」と言ったことで、ロボットを制御する人工知能の研究が下火になったと聞きました。 でも「知能は、自らアクションを起こし世界を知る機能(センサー付きの機体)を持つものだけが獲得できる」というアプローチが、まさにエッセンスをつかむ行為だと思いました。 虫ケラと揶揄されることの多い人工知能ロボットですが、こういうアプローチに期待しています。

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 意識といえば 2006年11月24日(金)10時52分07秒

脳の障害で「意識はあるけど自意識がない」なんて話を聞いたことがあるんで、これがガセネタだとしても、こんなことが考えられるくらいだから「意識」と「自意識」は別物と思ってるんですが、「最上の日々」の意識は「自意識」の方ですよね?

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國分利幸 SF書籍データベース Ver.02 2006年11月24日(金)10時50分16秒

宣伝(というかご紹介)をもう一つ.

CD-ROM for Windows
「SF書籍データベース Ver.02」
(SF資料研究会)

が発行されました.

私も所員であるところのハードSF研究所を主宰されている石原藤夫さんが,
過去40年以上にもわたって収集されたSF書籍の記録を,
データベースデータとしてCD-ROMに収めたもので,
1945年8月から2000年12月までの戦後55年間に日本で発行された
ほとんどすべてのSF書籍と,そこに含まれるSF作品が集録されています.
書籍そのものや作品や作家についてのさまざまな情報も収録されています.

収録数:
 SF書籍 約36000冊
 SF作品 109243篇
頒価:
 7000円(送料共)
 申し込みは以下へ.
 郵便振替 00220-0-16059 SF資料研究会

SF関係者にとっては非常に貴重なデータベースではないかと思います.

Windowsとなっていますが,csvファイルやtxtファイルも含まれていますので,
たぶんMacでも利用可能なのではないかと思います.

ちなみに家主の野尻さんの作品を検索すると,(2000年までなので)
12冊と1短篇(『異形コレクション15』に掲載)がヒットします.

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 分からないままシミュレーション 2006年11月24日(金)10時25分51秒

ここで想定しているのは、ソリトンやカオスの解明においてシミュレーションが果たした役割です。
もちろんシミュレーションだけで解明されたわけではないし、シミュレーション結果が信用できるかどうかについて色々疑問もあったわけですが、それでもシミュレーションがヒントを与え、解明に向けて大きな役割を果たしたと思います。
脳においても、脳細胞の基本機能は分かっているわけですから、その配線を実物通りに配置してシミュレーションすればカオス程度のことは出来、かなりのヒントが得られると思います。
実物配置読み取りの方は、凍らせておいて薄く剥がしながら原子間力顕微鏡などで走査すれば、そこにある可能性のあるタンパク分子はゲノム解読によって近いうちに全て分かるはずですから、各チャンネルの種類や個数まで読み取ることが出来るはずです。

ところで、最上の日々「意識とは何なのかについての私見」を読んだんですが、これだと「意識」を持たない人間が多数いるんじゃありません?

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國分利幸 『シネマ天文楽入門』 2006年11月24日(金)10時10分12秒
URL: http://www.shokabo.co.jp/mybooks/ISBN4-7853-8778-5.htm

登場するときは宣伝ばかりなので恐縮ですが…….

裳華房のポピュラー・サイエンスシリーズの1冊として,
大阪教育大学の福江純さんの新刊
シネマ天文楽入門』を刊行いたしました.

ポピュラー・サイエンス 278
シネマ天文楽入門 −宇宙SF映画を愉しむ−
福江 純 著/四六判/216頁/定価1785円
http://www.shokabo.co.jp/mybooks/ISBN4-7853-8778-5.htm

10年ほど前に刊行した『SF天文学入門(上・下)』の映画バージョンで,
〈スター・ウォーズ〉に始まり,『ライトスタッフ』,『ディープ・インパクト』,
『さよならジュピター』,『2001年宇宙の旅』,『宇宙戦争』などなど,
数々の(宇宙)SF映画を題材にして宇宙・天文を愉しもうというものです.
 #詳しい目次や内容見本などはリンク先をご覧ください.

このボードに来られている方々には,ツッコミ度合いという点で
物足りなく感じられる部分が多いかもしれませんが,よろしければ
書店等でお手にとってご覧いただければと思います
(そして出来ればご購入も……).
#オンライン書店で検索される際は「天文【楽】」ですのでご注意ください.

なお,家主の野尻さんには献本しましたので,近々届くかと思います.

よろしくお願いいたします.

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もがみ 2006年11月24日(金)08時05分52秒
URL: homepage3.nifty.com/mogami/diary/diary.html

> 分からないままで力まかせの計算機の中の生体脳シミュレーション

わたしは、ちがった風に考えています。対象がなんであれ、対象系の本質をつかむ事無しにシミュレーションができることはないと私は思います。本質が分かっていない人が無視できる些細な違いだと思っていたものが重要な違いであったり、目立つ特徴と思われたものが無視できる違いであったりするからです。

たとえば、牧野さんによるこの話しなどがちょうどそれにあてはまります。
http://jun.artcompsci.org/articles/future_sc/note033.html#rdocsect38
ヘギーの計算結果とベトウィーザーの計算結果を比較していた時に、杉本が、 ヘギーの計算では時間積分のタイムステップを長くとりすぎていて、振動を 抑えこんでしまっている、と指摘したのです。

タイムステップが大きすぎるというたった一点の、作った当人にとっては些細と思われた点が全てを台なしにしていた訳です。

私がカーゴカルト脳理論で言いたかったのはこのような本質をつかまずに形だけまねてシミュレートするのは上手く行かないのではないかということです。竹串とアンテナの違いは無線の本質が分からなければ分からないように。

私は科学と言うのは、どの分野であっても、このエッセンスをつかもうとする行為だと思います。

で、問題は脳のように進化で場当たりの適応をくり返して来た物にそのような筋の通ったエッセンスがあるかという事です。私もこの分野に入った時には懸念しましたが、今はあると思います。というか確率論的最適化問題だと思っています。

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7J3AOZ(白原) すごい広告が(汗) 2006年11月23日(木)19時33分19秒
URL: http://jh3ykv.rgr.jp/mt/

野尻さん、今晩は。

>そういうそつのない文章がいちばん難しいんです。

ありがとうございます。もしかしたら、長年自分が作ったソフトウェアのドキュメントを書いている事によって、そつの無い文章の書き方が身に付いたのかも知れません(笑)

ところで、Googleさんが、すごい広告を連れて来てますね(汗)

#宇宙エネルギーとか帝国○Xとか...「水からの伝言」と言うテキストでマッチしているのであれば、ある意味正解なのでしょうけど(苦笑)

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FREE マーズ・グローバル・サーベイヤー通信断絶 2006年11月23日(木)17時02分05秒

マーズ・グローバル・サーベイヤーとの通信が11/2以降断絶状態にあるとの事です。現在場所不明で復旧作業は継続中だが困難な状態にある模様です。

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蒲谷 補償光学系 2006年11月22日(水)23時37分33秒

>めでたい。でもこれって、光が90km上空のナトリウム層との間を往復するわけだから、途中でどう屈折しても人工ガイド星は同じ位置に見えそうな気がするんですが……。

レーザーのビーム径と広がり角とNa層までの距離から、Na層上でのビーム形状が推定出来ます
さらに大気にゆらぎが無い状態で望遠鏡で観測した時のビームスポットの強度分布も推定出来ます

そして実際に「観測した分布」がその「推定した分布」になる様に可変型鏡を調節すれば
大気のゆがみが補正されるみたいな話だと思います
乱視を矯正する様なイメージなんでしょうか

先に望遠鏡で観測してから大気のゆがみ行列でデコンボリュートしても
同じ結果なのかもしれませんが、光学系でリアルタイム処理した方が
利点が多いのでしょう

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野尻抱介 2006年11月22日(水)20時36分04秒

>情報化知性
 ニューラルネットはGeForce 8800でいけるんじゃないか、なんて話が最上さんの日記に出てました。脳をまるごとシミュレートするという話ではありませんけど。
 ホルモン物質の濃度勾配やグリア細胞の働き、細胞内の化学反応までシミュレートするとなると、相当大変でしょうね。でもSETIの立場で考えると10万年とか100万年のうちに実現するかどうかを問うので、「できない」と断じるのはかなり勇気がいるというか、無理です。

|ドストエフスキーもまだ全部読んでないし。

 情報化知性になったらドストエフスキーの洞察なんかギャグとしか思えなくなるかもしれませんよ? 「レムやイーガンはなんとか読めるんだが、田辺聖子とかはわからんなー」とか。

>PLCアダプタ
|一般家庭の電力は単相三線式で引き込まれている事が多く、例えば親機がL1-Nの系統に
|接続した場合、子機をL2-Nの系統に接続すると通信出来ません。

 なるほど、そうなるとIT家電などの「遅くてもいいから簡単につなぎたい」ケースでもトラブル続出になりそうですね>TXさん。このまま立ち消えてくれるといいんですけど。
(認可されたPLC機器は家庭内しかつなげないので、冷蔵庫の開閉を外からモニターするなんてことはどのみちできません。念のため)

#申し遅れましたが、これに関する情報提供ありがとうございました>河野健一さん、FREEさん。

>白原さん
|実は、私の所属クラブの人間も、あれが私の書いた記事だと気が付いていない方が多いのです

 そういうそつのない文章がいちばん難しいんです。誉め言葉と思っておいていいでしょう。
 100円ショップで無線系に使えるものといえば、銅箔テープが話題になっていました。私は見つけられませんでしたけど。

すばる望遠鏡の視力を10倍にするレーザーガイド補償光学!
 めでたい。でもこれって、光が90km上空のナトリウム層との間を往復するわけだから、途中でどう屈折しても人工ガイド星は同じ位置に見えそうな気がするんですが……。

>NATO key
 物欲というか触欲?に負けて、また電鍵を買ってしまいました。>写真
 NATO所属の艦艇で使われたのでNATO keyというらしい。カバーの色がいかにもな感じ。でかくて重いです。1.6kgあります。
 内部はスウェーデン型で、板バネのヒンジで梃子を支えています。そのためガタがありません。後ろのダイヤルは接点間隔の調整。打鍵の感触はこれまで所有したなかで一番いいです。キーがコトッと沈む感触、接点が触れるときの柔らかさと適度な反発が絶妙です。
 それにしても無線系の装置には触欲をそそられるものが多いです。コリンズやハマーランドのチューニングダイヤルとかトグルスイッチとか。すでにラジオがソフトウェア化される時代ですし、自分が情報化知性になる前に味わっておかないと(^^)。

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たざき 力まかせの計算機の中の生体脳シミュレーション 2006年11月22日(水)17時55分44秒

あ、ぼくも、それに一票。 きっと、内蔵からのシグナルとか、無用そうなものもすべて律儀にシミュレートしないと気が狂うんだろうけど。

知性を設計したり、価値観をソフト化したりとかには、めちゃめちゃ懐疑的ですが、進化・発生・成長を経て作られたものの愚かなシミュレーションなら、できていいんじゃないですかね(読み取りの技術は難しそうだけど)。というか、できてほしいな。個人的には、肉体での生を一回あじわったら、そっちもやってみたい。ドストエフスキーもまだ全部読んでないし。

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 情報化知性 2006年11月22日(水)13時37分01秒

>脳科学に詳しい人ほど悲観的

そりゃー、現在の手法では悲観的になるのも無理ないですね。
でも、前にも言ったような「分からないままで力まかせの計算機の中の生体脳シミュレーション」が実現されてしまえば、突然解決!となってしまうんじゃないかと思ってます。
ヒトゲノム解析でも、計算パワーにまかせた力わざが功を奏したみたいですから。

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7J3AOZ(白原) CQ Hamradio 12月号 2006年11月22日(水)01時00分17秒
URL: http://jh3ykv.rgr.jp/mt/

野尻さん、今晩は。

>なお、本号の特集「ハムの100円ショップ活用術」の記事のひとつを白原さんが執筆しています。

ご紹介頂きましてありがとうございます。文筆のプロの方に紹介して頂くと、汗かいちゃいますね(汗)

#実は、私の所属クラブの人間も、あれが私の書いた記事だと気が付いていない方が多いのです(まあ、毒にも薬にもならない内容だからでしょうけど(笑))

それはそうと、CQ誌の編集部に、今度野尻さんに記事を依頼して見たらどうかと推薦しておきますね。

#但し、原稿料は(かなり)安いのですが(爆)

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蒲谷 M-Vはやはり廃止 2006年11月21日(火)22時13分14秒

松浦晋也氏のHPの11月21日のエントリーで
11/15の官報の内容に関して

>驚いて宇宙開発委員会に問い合わせたところ、「間違いです」とのこと。

GXがうまくいってなかったのでもしやとは思っていたのですが…

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TX 電力線通信アダプタ 2006年11月21日(火)20時56分05秒

電力線通信アダプタには他にも問題があります。
一般家庭の電力は単相三線式で引き込まれている事が多く、例えば親機がL1-Nの系統に
接続した場合、子機をL2-Nの系統に接続すると通信出来ません。
記事では1LDKの部屋でテストしてみたとの事ですから、3LDKや4LDKなどの一般家庭では
使いたい部屋で通信出来ない事例が多発すると思われます。

また、1LDKの部屋と比較すると一般家庭では電力線の引き回し距離も長くなりノイズ源となる
機器もさらに多いでしょうから、通信出来ても速度は記事の例よりさらに下がるでしょう。
12月9日に発売された後はクレームの嵐になりそうな...


※以前タービンブレードについての投稿で間違った事を書いてしまいました。
※申し訳ございません。

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野尻抱介 2006年11月21日(火)17時05分55秒

>水星のもやもや
 SOLAR-B推進室から回答をいただきました。
「望遠鏡光学系の散乱光の影響が一番大きいと考えています」とのことでした。結局、ガさんの見解通りでしたね。

>情報化知性とSF
 ポストヒューマンになってしまうと、それ自体は人間の想像を絶したものになる、というのがシンギュラリティSFのお約束のようで、もはや文芸で扱える範疇でなくなってしまうのがSFファンとして扱いにくいところなんだと思います。想像できないというのがシンギュラリティの定義ですから、しょうがないといえばしょうがない。それに肉薄する作品もありますが、結局、理解可能な部分で囲い込むしかない感じ。
 自分の脳の仕組みもわからない人間に、ポストヒューマンは理解不可能だと決めつけることはできないはずで、普通にわかりあえる存在を想定したってかまわないでしょう。このシンギュラリティSFのお約束は「異星人は不可解なものほど高評価」というSF界の不文律が、ポストヒューマンに置き換わっただけかもしれません。
 しかし、自然選択という宇宙共通のルールによって生じた異星人よりは、知覚や生存の仕組みが劇的に異なるポストヒューマンのほうが、不可解さの振幅が大きいことは想像がつきます。人間とコミュニケーションするために長門有希みたいなインターフェースを置くのは、理にかなっていると言えるかもしれません。

 川口先生の話は、有人惑星間航行なら宇宙医学が役に立ち、恒星間航行なら情報化知性に期待する、と補完して解釈しています。その通りなら我が意を得たりで、まことに頼もしいです。
 ただ、情報化知性の実現は、脳科学に詳しい人ほど悲観的なので、これが筋のいいアイデアかどうかはわかりません。

 話は変わりますが、太陽・地球系のL2に深宇宙港を置くという構想は、以前報道されたときは「なんのこっちゃ?」と思ったものでした。内之浦で矢野さんに説明してもらってようやく理解できました。
 これは、はやぶさのようなサンプルリターンをする探査機を多数運用するときに有利になるシステムです。遠方と行き来する探査機は1gでも軽くしたいから、再突入用のカプセルなど抱えたくない。地球の重力井戸の外にあるL2でサンプルを受け渡しして、L2から地球までは別の輸送系を使おうというわけです。これはちょうど、多段式ロケットが上段に向かうほど重量がシビアに効いてくるのと同じことです。

>Google Map
|そうじゃないと立派なスパイ衛星画像ですよねぇ。。
 ほんとに見られたくない場所はちゃんと「Google Map八分」になるそうですから(^^)。

 15年くらい前、横須賀に住んでいたので、港の眺めは懐かしいです。
 当時の空母はインディペンデンスでした。フレンドシップ・デイに艦内を見学しましたが、格納庫から飛行甲板に移動するとき、飛行機を運ぶエレベーターに乗せてもらえたのが感動でした。大きな鉄の塊が、予想外の速度で昇降します。

>『CQ ham radio』
 ソフトウェア・ラジオの基板が付録についていたので買いました。基板は名刺サイズで、パーツは自分で調達してハンダ付けします。
 基板上でやるのは高周波の処理だけ。オシレータで作った発振周波数が受信周波数になって、そこから+48kHzの範囲をそのままパソコンのサウンド入力に入れて、あとはソフトで処理するようです。
 なお、本号の特集「ハムの100円ショップ活用術」の記事のひとつを白原さんが執筆しています。

【速報】話題の電力線通信アダプターの実力を検証!
 ……それみい、山道にレーシングカーを走らせるようなことをするからダメなんだよ。素直にLANにすればいいじゃないか。
 とはいえ、まったく使えないほどでもないからなあ……。

>トンデモといえば
 NHKの番組にもたびたび登場する日本音響研究所って信じていいんでしょうか。
 音響分析でそこまでわかるわけないだろと、いつも思います。誰にもわからないのをいいことに、もっともらしいことを言ってるだけじゃないかと。
 公式ページのスタッフの学歴見ると全員アダムスミス大学だし。

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牧野一憲 2006年11月20日(月)21時47分45秒
URL: http://rocketworks.jugem.jp/

>野尻さん
|JAXAタウンミーティングin四日市
貴重な質疑応答の記録をありがとうございます!特に、
|川口:産業利用が少ないのはその通り。私は大陸間を結ぶ極超音速の
|航空宇宙機をやるべきだと思っている。・・・以下略
という考えをもった方がJAXAにいると解ったのは私に嬉しいことです。
私自身も、宇宙輸送手段の真打は航空機の延長線上にあるものになるだろう(しなくては)と考えている方ですので。

>秋山さん
いろいろ順調の様でうらやましい限り(^^) こちらは、3W遅れでなんとか明日旋盤を受け取りにいくといった状況です。早く溶接したい切削したい燃焼させたい!! それで、
|Google mapsの中には、他にも空母とかが写ってる画像ってあるの
|でしょうか?これは観光用だから良さそうですが、そうじゃないと
|立派なスパイ衛星画像ですよねぇ。。
実験施設のような最初から写されちゃ困るところは当初からイロイロやられていますが、移動物体については結構タイミング次第という状況のようです。まあ、空母が写ろうが、偵察機が写ろうが、それがリアルタイムの画像でない限り、諜報的価値はあまり無いですよね。特にアメリカの場合、現地でも空母が見えるところまで近づけますから。
「Google Earth NOW!!」とかが登場する面白くなると思うのですよね。そのための小型衛星でも沢山作って上げますか?(^^; 解像度は荒くても”今”が見えるってのは、高解像度とはまた違ったインパクトがあると思うんですよね。Googleがスポンサーになってくれないかなー♪

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 情報化知性 2006年11月20日(月)12時41分14秒

>SFファンでさえ一笑に付す人が多い

真面目に考えれば、長寿命化や情報化知性は今世紀にも目鼻がつく所に迫っているのに、「SFファン」の科学レベルは低くなっているんですかね?
「国民の科学レベル」の前に「SFファン」の科学レベルを上げないと、先導効果が出ないんじゃないかな〜

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歌島昌由 Google Mapsで見る空母群 2006年11月20日(月)08時47分03秒

 少し以前から、私も空母が映っているGoogle Mapsの画像を探していました。現在、以下の4つを得ています。

サンディエゴ湾の空母
http://maps.google.com/?ie=UTF8&z=17&ll=32.71294,-117.189403&spn=0.006463,0.009999&t=h&om=1

サンフランシスコ湾の空母
http://maps.google.com/?ie=UTF8&t=h&om=1&z=18&ll=37.772398,-122.302857&spn=0.003036,0.005

アメリカ東部のロードアイランドの空母
http://maps.google.com/?ie=UTF8&t=h&om=1&z=17&ll=41.527977,-71.316408&spn=0.005751,0.009999

横須賀の空母
http://maps.google.com/?ie=UTF8&t=h&om=1&z=18&ll=35.291445,139.663466&spn=0.003135,0.005

まだあるかも知れませんが、この辺りで止めました。ここに示した全てが、現役のものかどうかといった詳しい情報は、何も持っていません。ただ、Google Mapsで見つかったと言うだけのものです。

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秋山演亮 なんだかすごい 2006年11月20日(月)07時36分27秒
URL: http://maps.google.com/maps?ll=40.764809,-74.000851&spn=0.008592,0.005932&t=k

ここ3日ほどハードスケジュールを過ごしていたのでネットサーフィン(死語ですね;)出来なかったんですが、久々にうろちょろしていてこんなものを発見。拡大してみてください。なんだかすごい。
艦上に並んでいる飛行機の中には、コンコルドの現物もあるとのことでしたがどれだか確定できませんでした。
Google mapsの中には、他にも空母とかが写ってる画像ってあるのでしょうか?これは観光用だから良さそうですが、そうじゃないと立派なスパイ衛星画像ですよねぇ。。

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野尻抱介 水星のもやもや  2006年11月19日(日)10時25分31秒

 遅レスですが、検討報告ありがとうございました>tuneさん。
 そんなもんかなとも思うのですが、水星大気の時間変動を地上から観測という記事を読むと、水星の大気も馬鹿にならんな、という気もしてきます。この画像は特定波長の淡い光を鬼のように強調しているので、見た目の印象ではなんとも言えませんけど。
 決着をつけるべく、SOLAR-B推進室に問い合わせておきました。返事がもらえましたらお知らせします。

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蒲谷 M-Vの行方 2006年11月18日(土)23時24分55秒

既出かもしれないのですが、M-Vは結局開発継続なのでしょうか?
官報(平成18年11月15日 水曜日 12ページ)
〇文部科学省告示第百四十二号
宇宙開発計画を次の通り告示する。 文部科学大臣伊吹文明
(中略)
開発研究
第24 号科学衛星(PLANET−C )
第24 号科学衛星(PLANET−C )は、金星の雲層の下に隠された
気象現象を金星周回軌道上から観測することを目的とした衛星であり、
M−V ロケットにより打ち上げることを目標に開発研究を進める。
(中略)
14ページ
2 .宇宙輸送
運用
M 系ロケット
M 系ロケットは、全段に固体推進薬を用いるロケットとし、科学衛星の打
上げに利用するものとして開発を行ったものであり、特にM−Vロケットに
ついては、引き続き科学衛星の打上げに使用する。

WikipediaによればPLANET-Cは
http://ja.wikipedia.org/wiki/PLANET-C
>新型固体ロケット開発に伴うM-Vロケットの運用中止に伴い、H-IIAロケットによる打ち上げに変更された。

なんですが…

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服部由和 グラフイックスカードでスパコン 2006年11月18日(土)21時47分10秒

AMD、大規模データ処理用新プロセッサとしてRadeonを投入
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/1115/amd.htm

■後藤弘茂のWeekly海外ニュース■
これがGPUのターニングポイント
NVIDIAの次世代GPU「GeForce 8800」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/1109/kaigai316.htm


今までFLOPSを稼ぐボードは業務用の高額な物しかありませんでしたが、
これからはグラフィックスカードでそれが可能になるという事です。


劇的に敷居が下がってこのランキングにも影響が出てくるのでしょうねぇ。

スーパーコンピュータTop500、トップはIBM
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0611/14/news015.html


そんな中、NECの地球シミュレータがトップ10落ち・・・、14位です。

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野尻抱介 JAXAタウンミーティング 2006年11月18日(土)21時16分09秒

JAXAタウンミーティングin四日市
 簡単ながらレポートします。18時〜20時まで2時間、八代広報部長、川口教授、樋口理事がJAXAの現状を語りました。講演は簡潔で要点を絞り、そのぶん質疑応答の時間を長めにとっていました。短時間なわりに内容のあるタウンミーティングになっていたと思います。

 八代部長が説明したのはJAXAの歴史と現在の事業、海外と比較してのロケットの性能や成功率、人工衛星の大きさや数など。
 問題提起としては、日本の宇宙開発が負のスパイラルに陥っていること。ここ数年宇宙開発予算が漸減し、そのため値の張る国産部品が使えなくなり、国内の宇宙産業が支えきれなくなって企業の撤退が相次いでいる。予算はピーク時に較べて450億減、部品の国産化率は90%が30%に落ちている、等々。

 川口教授ははやぶさの成果をメインにして、先進的な技術に取り組むことの大切さを述べました。分化していない小惑星は鉱物資源が表面に出ていること、NASAは有人小惑星探査を計画していること、太陽・地球L2の深宇宙港構想、等々。
 しめくくりの言葉は例の「高い塔に登れば新しい地平線が見えてくる」に加えて「センターラインでパスを繰り返していても得点にならない。オフサイドぎりぎりでパスしてこそ得点に結びつく」でした。

 樋口理事は四日市(富州原)の出身で、こちらの訛りに切り替えて予算配分の話をされました。
 アメリカの宇宙予算はすべてNASAが使っているわけではない。NASAは40%程度。ほかに軍やNOAAがある。ヨーロッパも40%くらい。日本においてJAXAは55%くらい。日本の宇宙開発予算は社会インフラ・安全保障に流れ、宇宙科学はじり貧になっている、等々。

 質疑応答。「その質問したのお前だろ」とか言われそうですが、私が質問したらヤラセっぽくなりそうですし、一般市民からどんな質問が出るか知りたかったので、貝のように口を閉ざしておりました。
 以下のやりとりはラフな要約です。

Q1「バンガードロケットやアトラスロケットに較べればいまのH-2Aはずっと強力だが、なかなか有人飛行の話が出てこないのはなぜか」
川口「有人飛行に対する国の意欲が少なくなっている。技術的な問題というよりは予算の制限や安全性に対する世論のありかたが枷になっている」

Q2「惑星探査は継続して行うべき。はやぶさ2などに予算をつけるために市民はどんな応援ができるか」
川口「アメリカでは惑星協会が運動してホワイトハウスにFAXを送ろうなどとアピールするが、日本ではなかなか進まない。しかし個人でウェブページを持っている方などの応援が我々の力になっている」

Q3「H-2Aの価格が国際的にみて高くなっているのはなぜか」
樋口「ロケットの価格について。コストとプライスに隔たりがある。アメリカでは打ち上げ施設にかかるコストがロケットのプライスに計上されていない。日本もコストとしてはそんなに高くないが、プライスで負けている」

Q4「川口先生の示した木星に向かうソーラーセールだが、太陽風では駆動されないのか」
川口「太陽風は実質的にプラズマ(水素の原子核)の流れで、粒子は大きいが速度が遅いので、光圧による推力のほうが圧倒的に(3桁ほど)大きい」

Q5「M-Vロケットの後継機がまだ出てこないが、その間、科学衛星をH-2Aで打ち上げるとすると、大きすぎて小回りが利かないのではないか」
樋口「H-2Aの固体ブースターを使って小型のロケットを作る計画があり、3〜4年後にはそれが使えるようになる。H-2Aは惑星間飛行には融通が利かないので、三段目に小さなロケットをつける計画がある」

Q6:地球上では環境問題が山積しているが、それを置いて宇宙に目を向けていていいのか。宇宙でも同じことを繰り返すのではないか。
樋口:スペースデブリは大きな問題で、いろいろな対策をしているところだ。
川口:燃料電池や太陽電池など、宇宙開発からの技術移転が環境問題に貢献するケースがある。直接役立つわけではないが、宇宙開発は「思い切り軽いもの」「思い切り性能のよいもの」などを開発する動機になる。
 また、宇宙開発は教育の動機にもなる。はやぶさは構想から実現まで12年かかったが、子供が社会に出るまでは7〜8年で、宇宙開発それ自体のサイクルよりずっと早いサイクルで(環境問題に取り組めるような)人材の育成に貢献できると思う。
樋口:宇宙開発は宇宙空間を利用するだけでなく、地球観測が大きな柱になっている。そのことで環境問題に大きな貢献をしている。

Q7:地球環境は宇宙から観るのがいちばんよくわかると思う。環境問題のためにハイブリッド車が出ているが企業は大型で高性能の車を売りたい。それと官はもっと自分のところの予算削減をしたらいいと思う。国会議員のリストラももっと考えてはどうか。民ばかりリストラされるのはおかしいと思う。
八代:JAXAとしては無駄な出費を抑えてうんぬん。(質問が支離滅裂なので紋切り型)
樋口:JAXAは3年間で120人ほどリストラするなどして経営努力している。

Q8:日本がアメリカに較べて宇宙予算が少ないのは国民性の問題もあると思うがどうか。
樋口:アメリカではフロンティアの開拓が国是になっている。日本では科学技術の振興のためにそこそこやらなくてはならない、というところ。我々としてはもっと世論を高めてもらいたいと思っている。
川口:私の意見は極端かもしれないが、最先端を進むべきと思っている。日本人は完成度を上げること、100%にどこまで近づけるかに心を砕くが、150%とか200%という達成は目指さない傾向がある。私は後者が重要と考えている。

Q9:欧米では日本に較べて日常生活への宇宙利用が進んでいるというが具体的にはどういうことか。
樋口:GIS、GPSなど、国民生活では日本の宇宙利用も世界に負けないくらい進んでいる。ただしGPSなどアメリカの借り物ですませている部分も大きい。軍事利用も少ない。

Q10:いまの技術で人間の一生のうちに恒星間飛行ができるか。もともと宇宙開発は軍事から始まったものだが、いまのロケットをミサイルとして使ったらどこまで届くのか。
川口:長期間の有人飛行について、若い人にすすめたいテーマは宇宙医学だ。人間の寿命はいくらでも長くなる。脳をコピーするなど、人間の存在そのものを情報化できれば飛行時間の問題はなくなる。それにあわせて反物質エンジン、光子ロケットなど、推進機関の改善が進めば恒星間飛行は可能になるだろう。
樋口:H-2Aロケットなら10トンのものを地球上のどこへでも運べる。兵器に使うことはないが、潜在的にそんな能力はある。

Q11:JAXAという名前がどうもいかんと思う。日本語で「弱さ」と読んでしまう。それはさておき宇宙開発は、日本では産業利用が少ないと思う。もうひとつ、学生の理工系離れを食い止めるためになにかできることはないか。
樋口:駄洒落で返しますとJAXAは「ヤクザ」とも読める。隣には川口さんのような「ガクシャ」もいる。
川口:産業利用が少ないのはその通り。私は大陸間を結ぶ極超音速の航空宇宙機をやるべきだと思っている。「宇宙開発のために」再利用できる宇宙機を作ろうという話もあるが、それでは転がらない。地上間の輸送で宇宙を使うことになれば広範囲な分野を引っ張っていくだろう。宇宙開発だからといって宇宙にしがみつくのではなくて、もっとポリシードリブンな考え方があると思う。
樋口:JAXAの仕事には「航空」も含まれていて、研究開発に力が行きがちだが、宇宙航空産業の発展も目標に掲げている。また昨年5月に宇宙教育センターを立ち上げた。宇宙開発の成果を教育に活かしてもらうため、特に先生方にデータを提供する努力をしている。

Q12:官の民営化を進めているが、簡易保険に入っていると人間ドックが半額になるというのだが民営化でその特典がなくなった。なんでも民営化でいいのか。また収入の少ないことが理系離れの原因になっているがどうか。(これもかなり支離滅裂)
樋口:官と民の配分は手探りしているところだ。
川口:これもポリシードリブンの政策が必要と思う。倹約するばかりでは負のスパイラルになるので、投資していかなければならない。

 レポートは以上です。
 NASAの有人小惑星探査については、こちらに記事が出ています>NASA Studies Manned Asteroid Mission。日本独自の有人宇宙船《ふじ》で提案していたことが、またひとつNASAに持っていかれそうです。
 Q2については、樋口理事が「四日市まで来てはやぶさ2の予算の話を聞くとは」と驚いていました。これについて、心ある方はL/D:財務省のご意見箱に投稿するを参考に動いてください。
 Q10で川口先生が情報化知性に言及したのはさすがと思いました。シンギュラリティやオメガポイント知性については、SFファンでさえ一笑に付す人が多いというのに。
 これについては同じ日にやっていた京フェスの「ニュースペースオペラの潮流」に期待していたんですが、レポートを読む限り、文芸としての考察に終始したらしい。SFで使われるシンギュラリティはホラ話+「わかってる感」の問題になってしまうので、SETI方面から考えたほうが面白いと思います。

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